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公園の暮らし エノアールカフェ


by bluetent

第29回 女性のためのティーパーティー

2006年5月25日 木曜日 晴れ
とーってもすがすがしくて気持ちの良い一日でした。
 午後1時、台車に服の在庫箱や、お菓子、ポット、敷物をのせて、丘へ。
すでに丘の上には、最近ここで集まっている路上の方々がひなたぼっこ。
この方々、この丘をサロンにしているようで、けっこう楽しそう。

日射しが強いこともあって、ティーパーティーは丘の横の木陰で開きました。

敷物を広げて、お菓子とお茶の準備。誰か来るまで、丘の絵を描いていました。
すると、公園に犬の散歩に来ていたマダムが、犬の絵を描いて欲しいとやって来ました。
可愛い犬だったので描いてみようと思い、描き始める。犬は跳び回ってあっちに行ったりこっちに来たり、なかなか描きづらいなー。
そうしていると、大きな犬と一緒に住んでいるテント村の女性yaさんがやって来ました。
彼女も犬好きなので、このマダムと犬の話で盛り上がる。
そして、テント村から移行事業でアパートに移ったマッキーが久しぶりにいらした。
マッキーは、肌が白くなっていた。
マッキーは、このマダムと知り合いのようでした。マダムは犬の散歩によく丘へ訪れるらしい。
マッキーと、テント村の女性yaさんと、マダムは、それぞれの生活についてお話をしていた。私は、遠くに行ったり、前を走り抜けていく犬をどうにか描くために、犬を目で追う。
マッキーは、「気持ちイイね。ここは良かったナー、お金がなくても生活できるんだから。」と言った。
「帰ってきなさいよ。みーんなで元の所に一斉に帰ってきたら、管理事務所も何にも言わないカモよ。ビックリするだろうねぇ。」と、ワクワク話すテント村の女性yaさん。
マダムは、「私は、犬と車で、北海道を旅したいの。時々車を降りて、こうして、犬を遊ばせてね。もう一匹犬を飼って、2匹でね。」
「イイね。なに、2匹もいると大変じゃない?ハハハ、私、1人でも生活どうしようかなと思っているのに。もうすぐ生活保護うち切られるんだよー。福祉が働けっていうんだよ。」と、マッキー。
「手に職を付けるといいよ。私なんか、マッサージで十分生活できてるよ。もし、やりたいなら、教えてやるよ。ここに来て、教えてもかまわないし、ウチにきて教えてもいいよ。」とマダム。
それを聞いていた私は「良いじゃない、マッキー! マッサージ師マッキー!って。」私はそのPOPな響きの名前という理由だけで、勧めた。

「ちょっと、横になってみな。」マダムは、マッキーを敷物に寝かせて、ぐいぐい背中を指圧し始めた。そして、指圧指導。犬が、マッキーの顔を舐めに来たので、私は、このすきに、犬を描く。

テント村の女性yaさんは、「こんなイイ天気の間にお洗濯しなきゃ」と、水場を行ったり着たりしながら、犬と遊ぶ。

マダムはマッキーに電話番号を紙に書いて渡し、「その気になったら、いつでも電話してきな。」とたのもしくて、私はジーンとした。
公園の丘にいるマダムの犬サミーを色鉛筆で仕上げた。なかなかカワイイ。
そしたら、その絵はマダムが買っていきました。

テント村のteくんとk坊さんがティーパーティーの横にシートを広げて、将棋を始めた。k坊さんは、第一回エノアール将棋大会の優勝者。彼は2ヶ月ほど前に、都のアパート移行事業のアパートから、この村に戻ってきた。しかし、管理事務所は、断固としてテントを立てることを許さず、しかも、村内で横になって寝ることもしつこく注意されている。夜、寝ていても起こされるらしい。今は、水場から100メートルほど離れた以前テントや小屋が無かったところの木の下で寝ている。
アパートに移った以前女性のためのティーパーティーのパトロンだったFuさんが、将棋と、ティーパーティの見学に来た。

私とマッキー、yaさんは、たくさんの洋服を箱の中から取り出しながら、「それ似合うー」、「これは何と合わせれば良いのかしら」と。すごーくたのしい。
お茶を飲みながら、お菓子をぼりぼり食べて、アパート生活のこと、最近のテント村の様子を話す。アパート生活はお金に追われるし、今のテント村は、管理が厳しい。やはり、以前のたくさんで暮らしていた2年前までが一番良かったわねぇと、語り合う。

ついでに、将棋の男性達にもお茶を入れる。

「ヨッパライ」と呼ばれていた男性がテント村に遊びに来たところ、私たちのティーパーティーにも来た。やっぱり酔っぱらっていて、おどけて愉快になっている。この男性、お酒を飲んでいないときは、別人のように大人しく、下を向いてとぼとぼ歩く。どちらかというと、少し酔っているときの方が、好印象。ヨッパライは都のアパート移行事業と抱き合わせで行われた就労支援により1ヶ月に数回働いているが、アパートの3000円の家賃と、光熱費が大変なので、アパートの近くの公園で日中過ごし、炊事洗濯もそこを、使っているらしい。部屋だと空気がこもって、魚も焼けない、タバコも吸えないと言っていた。ヨッパライの話ではそういったことをしている人が結構いると言う。
マッキーは「その手があったかー」と感心していた。

4時半頃、そろそろ片づけ。ヨッパライがシャキシャキと手伝ってくれた。
「部屋だと一人でさみしいんだよなー。なんでもするよ。これも畳む?」と、将棋の人達が置いていった、シートも畳んでいた。

今回の「女性のためのティーパーティー」は男性も女性も楽しみました。これは今回だけではない。以前もそうだった。女性のためのティーパーティーの敷物の上は女性だけが集まって座っているけど、数人の男性達もしだいに集まってきたり、差し入れを持ってきてくれたり、楽しく話し、一緒にお茶を飲んでいた。毎日会う人達でも、このティーパーティーはいつもとは様子が違う雰囲気で、そのことがみんな楽しかったと思う。
そして、今回は小さな同窓会だったなぁと感じました。
by bluetent | 2006-05-26 10:33 | 女性のためのティーパーティー