公園の暮らし エノアールカフェ


by bluetent

長居公園テント村「劇団パニック」と、

07年2月5日月曜日 大阪長居公園で、大阪市、行政代執行によって強制撤去が行われました。7人の住人の内5人を含む演劇集団パニックは、その強制撤去に対し、演劇を発表しました。警備員や、大阪市のロゴが入った上着とヘルメットをかぶり、マスクと軍手をした人達500人くらいを前に、それぞれここで暮らしてきた思いを込めて、力の入った演技を見た私は感動しました。
驚くことに、このことは新聞に取り上げられませんでした。報道陣達は何を目撃したの?あんたら、アホか?完全に、報道って信用できない、と思いましたよ。
 劇団の人達は、大切に築き上げてきたこの村を奪われるという不安の中、連日稽古し、代執行が行われる当日にしっかりと公演できるよう集中していた。2月2日から私はテント村に居たら、彼らが連帯してやってきたことが、とても、めちゃくちゃ、スゴイことだと思えてきた。そして、でも、数週間前に働いてお金を作って、友人の演劇を見に東京からやってきた私が、なんにも役に立たないかもしれない私が、ここにいて、いいのだろうかとも感じた。つまり、きっとこのスゴイことは、私が想像しきれないほどいろんなことがあって築かれたことだ、という予感は、どうしても予感でしかなく、実際どんなことがあったのかわからない私は、ここにいてもいいのか。私は「強制撤去反対」の幕が掛っている村の木に、お母さんのお腹に入って揺れるブランコをダンボールと自転車のチューブで作ったりした。まず共有できるのは尊い命の部分。それでも、出演する友人や、彼らを支えてきた人たちとなかなか交流できないことは、私はいづらかた。それどころではないことは、彼らの表情を見ればわかる。私と同じ公園に住む友人teくんが10日前にここに来ていたので、私は食事はどうしているのかなど細かなここの生活を彼に尋ねるしかなかった。teくんは、各テントやテント村の様子を絵に描いていた。きっと彼もここを訪れた当初同じようにどう居れば良いのか考えていたのかもしれない。そして、彼は、絵を描いて撤去後にフェンスで展示するという目的でもって、この緊張したテント村に居場所を作ったのだ。そしてまた、彼も私に機嫌が悪かったのは、後から来た私に、フェアーな参加、はない、から。
今思うと、私も新聞記者の目と同じカモしれない。目撃していないことがたくさんあって、それを感じきれないことがいっぱいある・・。ただ、そのとき思ったのは、その場に居なかったことをくやむよりも、むしろ、その時点でどこまで想像できるかを肝に銘じてそこに居ることにした。この村を失いたくないと思っている人たちの一人である私はやはりこの場に居合わせたい。あつかましく振舞わなくても邪魔かもしれないけど。

当日、市の職員がズラズラとやってきた時、村の方では、一つの小屋のブルーシートがパーッとはがされ、そこに舞台が現れました。この劇的な場面なのに、何で歓声があがらないのか不思議。、この舞台を守ろうと、全国からってきた人達が、舞台の周りをズラリと取り囲む。市の職員側は、絶えず拡声器で何かをこちらに言っていたけど、私には、今、とうとう、始まろうとする舞台に集中していて、何を言っているのか大体は予想されるけど、聞こえませんでした。舞台が始まりました。市の職員による拡声器の音や、ヘリコプターがうるさいナァと、思いながら、舞台に集中します。張り詰める緊張からか寒さから、ぶるぶる震えました。ドキドキだー。
舞台では一人ひとり、本当に熱の入った演技に、感激。泣けた。こんな演劇見たことない。
 演劇が無事、最後まで終わり、支援によるシュプレヒコール。
私は、たくさんの支援が守る舞台から離れ、一人自分のテントに居るsaさんのところに行った。saさんのテントのシートは、はがされ、saさんはあぐらをかいて180センチくらいの高さのポールをしっかり両手で握って、まっすぐに立てていた。「わしはまだ居る」
ポールは、地面に突き刺さっているのではなく、ステンレスのポールの先に滑り止めのゴムがついている物。柱だ。柱を自分で立てているsaさん。
市の職員や作業員は、まるで、saさんや5人くらいの支援の人が見えていないかのように、周りで、がんがんテントや小屋をつぶし、撤去する作業をしている。木漏れ日が、丸見えになったsaさんの部屋と、saさんと、彼が握っているポールをキラキラ光らせ、チリや誇りもキラキラ反射してきれいだった。saさんの飼っている犬のサリーも、その時は、穏やかだった。saさんの周りにいた支援者のみんなも、ここだけ、どうしてこんなに、穏やかなのか不思議だった。
 こんなに穏やかで、美しい空間を作っているのは、saさん。魔法のポールを立ててるから?
とうとう、 赤いメガホン持ってやってきました。(劇の中のNさん曰く、アレが。)目の前なのに、赤いメガホンで話しかける市の職員のおっちゃん。赤いメガホンから聞こえる声というか音は、バリバリして、話しかけてる感じがぜんぜんしない。saさんが市の職員のおっちゃんに何か言うが、この大阪市の職員のおっちゃん、よそ見して聞かないフリ。そのおっちゃんの後ろに女の人達がズラッと並んでいました。みんなお揃いの作業着、ヘルメット、マスクで近寄ってきた。
私の横に来て、「ここは危ないので私たちと行きましょう」と、言ったのよ、この人達。コワッ。別の言葉で訳すと「姉ちゃん、痛い目に会う前に、言うこと聞きーやー」って感じかしら。これって言ってる本人達が危ないことをすることを警告したから、逃げないあなたはイケナイのよ、ってことでしょ。「脅し」って役人が大得意とする技よね。この時ね、あー、また、この脅し技にどうすればいいかわかんない、って頭からバネが出てくる感覚に陥るのよ。
もう少しで、私自分から、わめきまくって、走り回ったり、しようかなぁ。何しようかなぁ。なんて、考えながら、タイミングみはからっていた。でも突然、一緒にsaさんのそばにいた女の人が、この市の職員の女の人たちに羽交い締めにされた。ウワー!触るなー!やめろー!って叫んだ、私。そしたら、エッ?!、宙にフワッて浮いてる私。ナヌヌ?この女の人たち数人で、私の手足や体を持ち上げて、ちょっと物みたいに、持たないでよ!物じゃなーい!ギャーーーー!!!!!って叫びました。あんた達が持ってるのは、人間の私です、って言うアピール。何の、反応もなく、ただ、体全部持ち上げられて、運ばれる。聞こえてるのに、聞こえないフリ?任務遂行、これが仕事だから?たすけてーー!!と運ばれながら、そばを通り過ぎた作業員のお兄さんに訴える。が、目をそらされる。くぅ~、傷つくな~、ったく。ギャーーー、ギャーーー!!!!悲鳴。悲鳴、聞かせてアゲル。
この職員の女の人達の、何でもいいから、心を見せてほしかった、が、私は、フェンスの外に、持っていかれた。
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by bluetent | 2007-02-08 20:15 | ブルーテント村