公園の暮らし エノアールカフェ


by bluetent

テント増えて、テント減る

 1月、同じ公園内に集住していた4つのテントが、私たち約40件ほど住んでいる村へ移動してきた。これ、管理事務所や公園適正課が、その場所を工事するからという口実で執行。こう言って、工事しないまま立ち入り禁止の標識が立ててある光景は、もうお馴染みです。
 テントが増えるということで、ご近所さんが増えることは少し楽しみ。いい人達だったらいいのにな。この人達は缶をやっているみたいで、彼らを知っている缶のKさんの噂では、いいひとたち♪らしい。でもKさんが言ういい人っていうのは、たぶん、あたりさわりのない大人しいタイプ。Kさん曰く、ジョーシキ的。私には、このタイプをいい人と言えないのだけど、缶仕事のコミュニティーの中でも問題なくやっていける人らしい。
 私のテントの比較的近くに引っ越してきた。今はあいさつ程度です。

 それにしても、この村、女が足りない。
 パン・ティーパーティーやノラの活動で女の人達が来るとめちゃめちゃ救われた気分になる。でも、ドッとしんどくなるタイプの女の人もたまにエノアールにくる。しょーがないけど。この人の発言に、私はビックリ仰天したことがある。彼女が言うには、自分が女の友達が極端に少ないのは、どや街などに行っているからかしら、と。ちょっと、ちょっと、越冬行って泊まり込んで手伝ったりしながら、そんなこと思ってるって、どうなのよ。私は男環境で生活していますが女の友達たくさんいるし、こんな環境だから女の友達はすごく大切。この人こんなこと言って女の友達なくしていくんだぁって思いましたー。

 しかしそんな人も、エノアールに来てもらってOKでーす。てか、エノアールは色んな人がきてこそエノアールだと思う。ここ一年のエノアールは私にとってちょっと居心地悪い。癒しの要素が多すぎる。それじゃなんだか不自由。
 エノアールは、酔っぱらいも来ます。失礼な人も来ます。社会的立場が高い人も来ます。外国人も来ます。活動家も来ます。コジキも来ます。リーマンも来ます。教師も来ます。エロおやじも来ます。フェミも来ます。子供も来ます。そんな人達が集まって交流し、けして癒される所になるはずがありません。
 最近のエノアールで今日はいいエノアールだったっと思える日は去年の春に一度だけあったきり(それは、学者と元テント村の住人がのびのびと飲んで酔っぱらって、公園のおしゃれカフェだと思って来てしまった女子がビビって、私は彼らに彼女の恐怖を伝え、彼女に「この人たち、怖くないよ〜」と伝える。エコロジストがそんなの気にせず太鼓をたたいて、土や木々と交流。それを元住人がみて、あんたなんでホームレスにならないんだと質問。エコロジストが輪廻とリサイクルについて語り、あちらでは酔っぱらった元住人が草むらで吐く。その人を学者が(この人、世の中じゃエライ学者)介抱。)。その時のようなエノアールは、会話がぐちゃぐちゃに入り交じって、それは遊園地みたいに、メリーゴーランドあり、絶叫マシンあり、ジャンクなものあり、といった具合に進みます。
そんなダイナミズムがエノアールであってほしい!
でも、これは、私にとってのエノアールであって、他の人達は違う。他の人達は、エノアールに来る人は、ある程度ジョーシキ的な人だけであってほしいようだ。そして、今、ジョーシキ的な人達のためのエノアールに近い。そんなエノアールに私は違和感がある。
どうすればよいのか考え中。

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そんなことを思っているところ、テント村のキングがテントを出ていった。本人は足が悪くなって、寒いので、新宿の地下へちょっと避難というつもりだったらしいが、思った以上に、追い出しが厳しかった。また、親しくしていた教会の牧師さんの紹介で施設に入るが、そこには相性の悪い人がいたり、ご飯のおかわりが出来ないからと、その施設を出てきて、地下に戻る。しかし、足がとうとう動かなくなって、救急車を呼んでくれと警察に言ったが呼ばれず、ホームレスの支援団体が回ってきて、やっと病院へ救急搬送された。
そして、キングが入院中、本人の確認ナシに(福祉課は確認したと言い張る)公園にあるキングの小屋は管理事務所に撤去されてしまった。

 おおきかったキングの小屋がテント村から無くなり、とてもさみしい光景に見える。
キングの暮らしは、けして機能的な生活ではない。器用でもなく、運動神経も良くない。でも、こういった生活を20年近くやっている。新宿のダンボールハウスの村にも住んでいたことがあった。新宿のダンボールハウスの村にもコミュニティーがあったらしい。その時のことを思い出して、キングは新宿の地下へいったのかもしれない。キングの相談を受けていた私やtくんが出稼ぎで出かけていたときにテント村を出ていった。
 やっと、落ちついて再会できたときは、キングは病院のベットの上で、小屋はなかった。キングに小屋が撤去されたことを伝えると、キングは「帰れないんだー」とショックを受けていた。

 もう一つ、エノアール横のテントが無くなった。Mr.nさんのテント。彼は、エノアールを始めた頃に、あちらこちらからお客さんを連れてきた人だ。エノアールの横にいつも彼のテントがあった。最近は、実家や友人の所を渡り歩いているようで、あまりテントで寝ていなかった。最近はこの日の為だけに公園に戻ってきていた。先日の月一回テントを畳まなければならない時、またいつものように管理事務所から「いないなら出ていってほしい」と言われる前に、「テント、もういらない!」とMr.nさんはなげやりに管理事務所に言った。

 その前に、私はtくんと「テント残しておいた方がいいんじゃない?」「暖かくなると泊まりたくなるよ」と言って引きとめてもみたが、もう、管理事務所が彼がいるかどうかチェックされる事や、いろいろ言われることにウンザリした様子だった。
 私はMr.nさんが荷物を片づけたり、今回の旅で何処へ行ってきたとか誰にあったとか2,3人と一緒に話しているのを聞いていると、3,4年前のエノアールのことを思い出した。
毎日毎日、テント村で色んな事件がおきて、とても忙しかった。ほとんど毎朝、誰かが「いる?」って声をかけられて、目覚めていた。それは慌てている感じの声だったり、おしゃべりを誘っている声だったり、色々な声。
いつもMr.nさんは私の食事時にきて、おいしそうね、と言う。食べ物ちょうだいと言う。

Mr.nさんは私にセクハラ発言をする。とてもお調子者。それで、さんざんな目にあった。しかし、エノアールには重要人物だった。
テント、畳まなくてもいいじゃないの。もう。
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by bluetent | 2008-02-22 15:11 | ブルーテント村