公園の暮らし エノアールカフェ


by bluetent

ブルーテント村

大都会のド真ん中の大きな公園の奥に、テントや小屋が建ち並ぶ村があります。そこに多くの人々の暮らしがしっかりとあり、私はここをブルーテント村と呼んでいます。どの家も堂々とした存在感をもっているように見え、それらが周りの木々に調和しながら集まってテントや小屋が建っています。
私は、ここに暮らして2年が過ぎました。

一年前は、ここに350人ほど住んでいました。しかし、今、都の「ホームレス地域生活移行事業」により、この村の人々が次第にアパートへ移り、ここに住む人は60人ほどになりました。ここにはかつて、助け合いや協力し合う暮らしがありました。その共同体が壊れていっています。
さみしい。

 私の隣に住んでいたsaさんのアパートに伺いました。
 彼女は「退屈で、死にそうよ!」と、言っていました。彼女がこの村に住んでいた頃は、生き生きとしていて、死にそうな様子は、まったく見受けられませんでした。彼女のここの暮らしは、近所の人達と楽しく愉快に話し、彼女の好きな音楽が流れると得意のダンスを踊っていました。74歳とは思えないほど若々しく元気で、そんな明るさに引き寄せられるように近所の人達は彼女を取り囲んでいました。
 今のアパートでの彼女の生活は、炊事、洗濯、掃除、そして、テレビの前でジーッと座っていること。何かとお金の掛かるアパート暮らし。お金がたくさんないので、公園の友達に会いに行く電車賃がないとも言っていました。彼女は、コミュニケーション能力の優れた人ですが、アパートの近所の人達と楽しく話すことが難しい地域に住むことになりました。「退屈で、死にそうよ!」

お金がなくても豊かに生き生きと暮らせるブルーテント村。いつか出ていけと言われる事は、わかっていたけど、何年も住んでしまうブルーテント村。
 私はここで、元々人の持つ優れた力や魅力を思い知りました。
 そのことについて書いていこうと思います。

そして、私は、かつてここに住んでいたキクチさんという、思い出すだけでドキドキする人に手紙を書いています。チョコレートが大好きなキクチさん。バレンタインDay2日遅れでキョートット出版から出版される本「Dear キクチさん、」について、色んな人から意見が聞けるいいなと思っています。

現在、公園管理事務所の人達からの圧力が強くなってきています。彼らの乱暴な発言や、態度に心痛むこともあります。私はもうすぐ、しなやかに公園から出ていこうと思います。
4月、5月くらいでしょうか?
でも、タダでは出ませんよ。
まだまだ、ブルーテント村でやりたいことがあるのです。



キョートット出版「Dear キクチさん、」http://kyototto.com/book2.htm
ホームレス地域生活移行事業http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/press_reles/2004/pr0216.htm
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by bluetent | 2006-02-17 00:09 | ブルーテント村